介護の一工夫
ケアコート日誌

成金饅頭

リビングで、お話していたときのことです。

入居者様のお一人が「梅ヶ枝餅が食べたい。」と仰いました。
それを受けて、別の入居者様が「成金饅頭も美味しいのよね。」と仰いました。

「え?あなたも福岡なの。福岡のどのへん?」
普段、食事のテーブルが遠く、あいさつ程度だった方も、お話に加わりました。 同郷とわかったとたん、お話が尽きません。

(お話を伺いながら、「福岡出身」「福岡にゆかりのある方」が多いユニットだと気がつきました。)

九州の話・当時の思い出を一通り話された後は、また、食べ物に話が戻ってきました。 「食べたいわね・・・。」

職員の「そうですね・・・。」で、話が終わりそうだったのですが、
入居者様に、「でも・・・無理でしょうね・・・」と言われ、少し考えてしまいました。

施設では、「敬老会」などの全体行事の他に、各ユニットで「ユニット行事」を計画し行っています。2月のユニット行事は、恒例の「豆まき」でした。
入居者様にも手伝って頂きながら、ホットケーキなどを作ることもあります。

先ほどの福岡のお話に戻りますが、3月は話の流れから、(レアなケースではありますが)お取り寄せにすることに決めました・・・。

「梅ヶ枝餅」は、お餅の要素が強いので、誤嚥防止のため見合わせることにしました。
「成金饅頭」なら、大丈夫そうです。販売している、お店も見つけました。

入居者様にその事を伝えると、普段遠慮がちな方が、両手を挙げて喜んでくださいました。
「成金饅頭」が届く当日までは、折に触れて郷里のお話を伺ったり、同郷だと分かったお二人は、土地や生い立ちの話を互いにされていました。

数日たって、「成金饅頭」が届きました。
3時のおやつに、ユニットのみなさまにお出ししました。

この姿・大きさでお饅頭とは・・・。(公式には直径8.5㎝あります。)
なかなか大胆な印象です。
ご高齢で余りおやつを召し上がらない方も、その日はリビングに来られました。
焼き印を見るなり、「懐かしい」との言葉が沢山聞こえてきました。

送られてきた、福岡県直方市(のおがたし)のパンフレットをめくりながら、「いい時間が過ごせたなぁ~」と、思った出来事でした。

「ケアコート日誌」一覧を見る


トップに
戻る