突然ですが、漫画のお話から。
『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画では、“スタンド”と呼ばれる特殊能力を持った登場人物たちが、冒険を繰り広げていきます。アニメ化もされており、ご存知の方も多いと思います。
たとえば、ブチャラティという人物。彼の操るスタンド名は、「スティッキー・フィンガーズ」。このスタンドは、触れたものにジッパーを取り付けることができます。地面にジッパーをつけて、その中に隠れたり。体の傷口にジッパーをつけて、傷をふさいだりと、色々な事ができます。(ネットで調べて、知ったかぶりをしております)
実は、介護の世界にも、スタンドは存在します。(たぶん)
今回は力を抜いて、スタンド(?)を一つ紹介します。スタンドの名は、「曲がるフック」。あっ、商品名、そのままです。
上の写真(右)は、入居者様のベッドの降りる側です。ここには、柵を取り付けるための穴があります。降りるスペースなので、実際は、ここに柵をつけることはありません。
この穴に、「曲がるフック」の先端を差し込み、下の写真のように曲げます。
1本だとやや強度不足のようで、2本使ってみました。
このフックは、バルーンカテーテルの蓄尿バッグをかけるフックとして使用することができます。
特養では、蓄尿バックをどこに置いておくかで、しばしば悩みます。
一般的には、S字フックを使って、ベッド柵の一部に引っ掛けておく事が多いようです。
しかしS字フックの場合、柵に引っ掛けた部分が固定され、引っ張られてしまうため、次のような事故が発生する事があります。
バルーンカテーテルの抜去事故を防ぐために、センサーマットをベッドや床に設置する事もありますが、センサーが鳴っても、職員が即座にかけつけることができない場面もある為、、有効な解決方法にならない場合もあります。
この様な事故防止策として、「普段は蓄尿バッグを支えるが、体が大きく動いたときは、その動きに合わせて、フックから蓄尿バッグが抜けてしまう。そんな能力を持ったフックがないものか?そんな設置方法がないものか?」と、何度か考えたことがありました。
時を経て、発現したスタンド、「曲がるフック」。(少し、力を抜きすぎたかも知れません。)
事故防止策の検討として、「起き上がる理由」、「関わり方」などについて、職員が意見を出し合い、実際に入居者様と関わりながら、対策が見出していくのが普通の対応方法です。
それに対し、環境面からのアプローチは、その改善策がピタッと型にハマった場合、即効性がありますが、職員の話し合いの中ではそのようなアイデアは中々出てきません。解決すべき問題を頭の隅に置きつつ仕事をする中で、「パッ」とアイデアが降ってくる。時には、柔軟な発想が、役に立つこともあるのです。
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