介護の一工夫
ケアコート日誌

中庭歳時記~遅れてきた枝豆~

ケアコートの中庭、7月下旬。
プランターでの野菜栽培も、収穫の最盛期を過ぎた感があります。
連日、かなり暑い。
空を見上げると、迫力ある感じの雲が浮かんでいて、夏だな、と感じます。
中庭の野菜は生育好調で、豊作の部類だったと言えそうです。
きゅうりはなんと、5月終わり頃から収穫が始まりました。

入居者様が、気分転換も兼ねて中庭へ行き、しばらくして、収穫したものを持って戻って来られる。そんな姿が、7月中旬過ぎまで見られました。
散歩に同行するのは、ユニットの介護職員だったり、事務所スタッフだったりしますが、その多くを事務所スタッフが担ってくれていました。

収穫は嬉しいけれど、美味しく食べるところまでできたらいいな、とこれは私が思ったこと。収穫が多いので、そのままだと冷蔵庫で野菜がしぼんでいく図も想像できました。(ヒエ~、モッタイナイ)
散歩の付き添いは相談員に多くを頼ってしまったけれど、美味しく頂く、これは自分のエリアだな、と。そこで、他のユニット職員に調理法を聞いたり、調べたり。聞いてみると、梅じそで和えたり、おつまみ系の味付けなど、レシピも色々。こういうの、共有したいですね。
私も不器用ながら、幾つかの味付けを覚えました。入居者様からも「あのきゅうり、いつ食べる?」との声もきかれました。
収穫したら、入居者様にもお力を借りて、即調理。途中からは、そんな流れでできたと思います。

仕事をするなかで、見える様々なことに関心を持ち、漠然とでも思いを持っておく。小さなことでも、何か行動することは、自分にとっても良い経験になる。そういう部分と、入居者様のニーズが、うまくマッチングするように。意図してできるわけでもないのですが、自分発のそういう部分が、あるとき入居者様のニーズと合致して、何かしら行動となっていく。自身が長く、息切れせず、少しでも充実感を持って働くには、そういう回路があってもいいのだとも思います。

さて。
収穫も最盛期を迎えた中庭を見て思ったのは「もっと長く楽しめたらいいのになあ」ということでした。まあ、ぼんやりそう思っただけで、半ば忘れていたところに、入居者様のカンファレンスがありました。
入居者様――Oさんは、中庭の収穫・食べるのを楽しみにされていた方でした。ただ、収穫はそろそろ終わりで、楽しみも減りますね・・という話のなかで、Oさんは昔、庭作業が得意で好きだったようだ、と知りました。今は体の痛みもあり、居室で休まれていることの多いOさん。コミュニケーションの機会も限定的です。ご本人に聞いてみて、なにか、今からでも一緒に栽培できたら、という方向になり、気がついたら、その担当は自分になっていました。

後日、Oさんに話を伺うと、野菜や土のことなど教えてくださいました。
「枝豆なんかも美味しいよね。でも、今からだと遅いかな。石灰を入れるといいのよ。」
そんな会話があり、教わりながらやってみることになりました。
虫害が起きやすかったり、難易度は高そうではありますが、種から育ててみることに。
ちょうど、秋どりタイプの種が見つかり、さっそくお知らせすると、Oさんも笑顔でした。

種まきは「やりたいけど、下まで行かないと無理でしょ」との言葉を受けて、プランターを居室まで運び、一緒に行いました。
「もうちょっと、上の方にふわーっと、土があるといいわね。」
「あ、土あるので持ってきます。」
「そう、そのくらいあると、芽が出やすいのよ。」

アドバイスもしっかり頂き、種植えを終えて、プランターは中庭へ移動。
みんなで、塩で茹でて食べれたらねえ・・と芽が出る前から話に花が咲いていました。うまくいったらなあ、と素人ながらに私も思い、出勤時に観察。すると、数日後、無事に発芽しました。

ほやほやの新芽ですね。
ここからは、どうなるかわかりませんが、期待もちらり。体調の良い時、気が向いた時は是非、一緒に実物を見ながら、教わったり作業してみたいと思っています。

お読み頂きありがとうございました。

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